心膜炎のため粗となった心膜が、心拍動に伴い互いに摩擦しあって生じる心外性雑音のことである。前収縮期(心房収縮)、収縮期(心室収縮)、拡張期(心室急速充満)の3相に摩擦音が存在する場合には、その聴診印象が特異的で機関車の走る音に似る。摩擦音は普通心尖部と胸骨の間で最も多いが、非常に広い範囲に広がって聴取されることもある。心筋梗塞の場合、聴取部位はよく限局していて1~2ヵ月間だけ持続する。特発性心膜炎では広範囲に広がって聴こえ、長期間持続することもある。心臓手術後の患者では左第3~4肋間で最大であり、心房成分が最もはっきりしている。心膜摩擦音の最も大きな特徴は、瞬間瞬間でその強さが変化したり、体位により性質が著明に変化することである。起立位、立腰屈位をはじめとして、患者をさまざまな体位にして検査すべきである。