側副血行〈collateral circulation〉/側副血行路〈collateral flow〉

冠動脈に高度狭窄または閉塞が起こると、虚血部位に新たな循環を生じることにより虚血を改善しようとする機構が働く。この新たに出現する循環を側副血行と呼ぶ。胎児期に存在し成人になるにつれ退縮した吻合路は、各冠動脈間(intercoronary)あるいは同一冠動脈内(intracoronary)に潜在的に存在する。この吻合路が、心筋虚血などの状態において側副血行路として再度出現する。また血管新生として微小な側副血行路が新たに形成されることもある。

心筋梗塞急性期の冠動脈造影にて、約4割の頻度で側副血行路が観察される。側副血行路の冠動脈造影による評価法として、4段階のRentrope分類がよく利用される。閉塞血管がどの程度造影されるかによって、表の4段階に分類される。

Rentrope分類

側副血行路の発達は、心筋虚血の軽減効果、心筋壊死の防止、不整脈の予防、左室リモデリングの防止などのさまざまな臨床的意義がある。冠動脈疾患の治療には、通常心血管インターベンションやバイパス手術が選択されるが、これらの治療が困難な症例において側副血行路の発達を促進するさまざまな新しい治療法が考えられている。日本においても臨床治験されている、TMR(transmyocardial laser revascularization)やPMR(percutaneous myocardial laser revascularization)は、レーザーを用いて心筋組織に貫通孔を数ヵ所開けることにより血管新生を期待する方法である。最近の分子生物学領域の発達より、虚血部位にVEGF(vascular endothelial growth factor)やbFGF(basic fibroblast growth factor)などの成長因子を投与することで側副血行路の発達を促すという遺伝子治療も試みられている。また側副血行路を発達させることを期待するヘパリン運動療法もある。

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