循環器用語ハンドブック

植込み型ループ心電計〈implantable loop recorder;ILR〉

植込み型ループ心電計(implantable loop recorder;ILR)は、植込み型心臓モニタ(implantable cardiac monitor;ICM)とも呼ばれる皮下植込み型の連続心電図モニタリングデバイスである。ILR植込みの目的は、①失神の原因となる徐脈性、頻脈性不整脈の検出、②潜因性脳梗塞(embolic stroke of undetermined sources;ESUS)の原因となり得る心房細動 (AF)の検出である。従来用いられるHolter心電図や体外式ループ心電計において、発作頻度の少ない不整脈疾患は、短い装着期間内に発症しないことも多いため、検出が困難な場合もしばしば経験する。ILRは植込み後、電池寿命の2~4年間、連続して長期間の心電図モニタリングが可能なため、従来検出し得なかった発作頻度の低い不整脈疾患の検出が可能となった。一定のアルゴリズムを満たす徐脈と頻脈の自動記録のほかに、有症状時に、患者や周囲の人間が手動で心電図を記録することができる。

失神精査のエビデンスとしてPICTURE試験では、他デバイスでは検出困難であった原因不明の失神症例にILRを植込み、植込み後1年の時点で78%が診断可能であり、診断精度が高いデバイスと考えられる。

ESUSは脳梗塞全体の15~40%の原因と考えられ、その塞栓機序としてAFの関与が重要と考えられる。CRYSTAL-AF試験では、ESUS患者に対しILRの植込みを行い、3年で30%の症例においてAFが検出可能であった。なかでも無症候性のAFの割合が高く、連続して心電図モニタリングが可能なILRの有用性が確認できる。

さらにフォローアップに、従来の対面診察に加え、遠隔モニタリングを用いることで、不整脈の早期検出、早期介入が可能となっている。

ページトップへ