循環器用語ハンドブック

血管内視鏡〈angioscopy〉

送光用および受像用光ファイバーを入れた内視鏡カテーテルを冠動脈内へ挿入し、冠動脈内壁を直接観察する装置である。PTCA(経皮的冠動脈形成術)のバルーンカテーテルを挿入するのと同様に、オーバー・ザ・ワイヤー方式またはモノレール方式によって内視鏡カテーテルを直接冠動脈内へ挿入するタイプのものと、まず内視鏡カテーテルを挿入するためのガイドカテーテルを冠動脈内へ挿入するタイプのものがある。透明な溶液(生理食塩水やデキストラン輸液)を注入して血液を排除して血管壁の画像を得ながら、内視鏡カテーテルをゆっくり引き抜くことにより血管壁を末梢側から近位部にかけて連続的に観察できる。さらに良好な画像を得るために、バルーンを拡張させて血流を遮断できる内視鏡カテーテルもある。

正常な内膜は白色で平滑だが、脂質の沈着によって黄色調を呈するようになるため、狭窄を生じない早期の動脈硬化病変を血管内視鏡によって検出できる。また、冠動脈内の血栓を検出する感度は、冠動脈造影に比してはるかに優れている。急性心筋梗塞や不安定狭心症といった急性冠症候群(acute coronary syndrome)の大部分の症例において、破綻した黄色プラークと白色優位の血栓を認めるなど、血管内視鏡は病態を理解するために有用な検査法であるといえる。さらに、今後は急性冠症候群を発症する危険性の高い不安定プラークを診断したり、内視鏡ガイド下に局所の病変に対する選択的治療を行えるようになることが期待される。

冠動脈内視鏡で観察されるさまざまな病理像
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