循環器用語ハンドブック

エコーフリースペース〈echo free space〉

心エコー図上、心外膜と心嚢膜の間に低信号域として描出されるスペースのこと。心タンポナーデや急性心筋炎時にみられる心嚢液の貯留を表し、臨床上大切な所見である。少量あるいは生理的貯留では左室後壁のecho free spaceが収縮期のみに出現し、拡張期においては心外膜と心嚢膜は近接した状態で記録され、echo free spaceは認めない。また、心嚢膜の動きは心外膜と同様に良好であり、両心膜は平行エコーとして記録できる。さらに心膜液が増加すれば心周期を通じてecho free spaceが出現し、心嚢膜の動きも心外膜エコーとは解離した直線エコーとして描出されるようになる。心膜液がさらに増加すれば、左室後壁のみでなく、前胸壁側にもecho free spaceを認めるようになり、500mL以上の貯留液の存在下では心タンポナーデの状態となり、右室前壁の虚脱(collapse)や中隔や後壁の同一方向運動を示すようになる。また、少量の場合、心外膜下脂肪の沈着もecho free spaceとしてみられ、鑑別のためにCTなどを行う場合もある。

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