循環器用語ハンドブック
カルモデュリン〈calmodulin;CaM〉
カルモデュリン(CaM)は脳に存在するホスフォジエステラーゼの活性化因子として発見された。後に、EFハンド構造という約40アミノ酸残基からなるCa2+ 結合ドメインを4つもつ蛋白質であることが明らかにされた。Ca2+ に対するKdは10-6M程度である。きわめて類似した構造をもつトロポニンCが骨格筋、心筋に限局して存在するのに対し、カルモデュリンは全身のいずれの臓器組織にも存在している。
カルモデュリンの機能は千差万別で、Ca2+ を介する細胞機能に広く関与している。Ca2+ がカルモデュリンに結合すると構造的変化を起こし、標的蛋白と結合可能となる。カルモデュリン結合蛋白質は数多く存在するが、カルモデュリン活性化酵素とカルモデュリンに結合する細胞骨格蛋白質の2群に大別される。前者にはアデニル酸シクラーゼ、グアニル酸シクラーゼ、ホスフォリラーゼキナーゼ、カルシニューリン、ミオシン軽鎖キナーゼ、ダイニンATPase、カルモデュリンキナーゼⅠ~Ⅳ、NO合成酵素などが含まれる。後者にはホドリン、スペクトリン、サイトカルビン340、139、94、MAP2、タウ、カルデスモン150、77、シナプシンⅠ、サイトシナリン、4.1蛋白質、MARCKSなどが含まれる。カルモデュリンは後者の蛋白質と結合し、細胞の形態、移動などに影響を与えると考えられている。
さらにカルモデュリンはG1/Sの移行、G0からG1への細胞周期の開始に重要な役割を果たしている。
心臓においては、心筋特異的にカルモデュリンを過剰発現させたマウスにおいて心筋細胞の増殖、肥大が報告されている。

