薬物負荷エコーの一手段であり、運動負荷が不可能な患者に対しても実施できる点で優れている。ドブタミン投与に伴う心筋収縮の増大と心拍数の上昇による心筋酸素需要上昇に際し、冠血流の相対的な低下のために対象領域が虚血状態に陥り、壁運動異常(asynergy)が起こる現象から冠動脈の狭窄病変の有無を評価する検査法である(図)。ドブタミンの投与は5γより開始し、新規の壁運動異常出現、心電図上虚血性ST変化出現、不整脈増加、胸痛(angina)出現、目標心拍数到達(最大心拍数の85%)、血圧の異常な上昇や低下、最大投与量到達などの停止条件を満たすまで、数分おきにドブタミンの投与量を5~10γずつ増量して、最大投与量を40γとするプロトコールが一般的であるが、十分な心拍数の上昇が得られない症例にはさらにアトロピンの投与を行う場合もある。本法による冠動脈狭窄の診断精度は種々の報告において感度は89~96%、特異度は66~88%となっており、非侵襲的に心筋虚血を評価できる方法として有効である。近年ではドブタミンの最大投与量を15~20γまでとする低用量ドブタミン負荷法も、診断精度は劣らずドブタミン過剰投与による副作用の危険が少ないとして有用であるという報告もある。
また、ドブタミン負荷エコーは心筋のviabilityの評価法としても有用であり、安静時に壁運動異常を示す部位がドブタミンによる強心作用により壁運動改善を示す反応(improvement)や、低用量では壁運動改善を示すがさらに高用量では再び壁運動の低下を示す反応(biphasic response)がある場合に、対象部位の心筋にはviabilityが存在する可能性が高いとされる。特にbiphasic responseを示す部位は血行再建後に壁運動が改善する割合が高いと報告されており、安静タリウム心筋シンチグラフィやPET(ポジトロン断層法)などの核医学検査法に比し感度は劣るものの特異度は同等とされており、比較的安価に心筋viabilityを評価する方法として確立しつつある。