肺動脈楔入圧〈pulmonary artery wedge pressure;PAWP〉

本来はバルーンのない、あるいはバルーンをしぼませたカテーテルを肺動脈のできるだけ末梢に進ませて、血流を閉ざした状態で測定した小肺動脈の圧をいう。1949年、DexterらおよびWerktらがその有用性を報告した。しかし、Swan-Ganzカテーテル(前項参照)を小肺動脈まで進め、バルーンを拡張させ、その先の肺毛細血管床における血液の流れを止めることにより測定した値もこれとほぼ等しく、一般にこの方法で測定する。PCWP(pulmonary capillary wedge pressure)という用語も用いられるが、バルーン閉塞はarteryであり、非閉塞領域の肺毛細血管圧と等しくないので、近年は主にPAWP(pulmonary artery wedge pressure)の用語が用いられる。血流を止めた状態でバルーンの先端で記録される圧は、下流にある肺毛細血管内および左心房の圧を反映し、ひいては左心室拡張末期圧の指標、あるいは肺うっ血の指標とすることができ、経静脈的に左心の評価が可能となる。

平均PAWPの正常値は5~13mmHgである。ただし、僧帽弁逆流(逆流により圧が上昇)、慢性肺疾患(肺血管の閉塞、狭窄では左房圧よりも高値に)、頻脈では必ずしも左心機能を反映しない。実験的にはPAWPを正常値から急激に50mmHgまで上昇させると肺水腫を起こし、20分で死に至る。40mmHgでは40分、30mmHgでは1.5時間である。迅速な対応を要する肺うっ血の治療においても、PAWPのモニターが有用である。

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