FKBP〈FK506 binding protein、FK506結合蛋白質〉

FKBPはイムノフィリンファミリーに属し、FK506やラパマイシンなどの免疫抑制薬の主要な細胞内標的分子からなる一群の分子ファミリーである。分子量12kDaから135kDaの約20の分子が存在しており、代表的な分子としてFKBP12とFKBP12.6がある。FKBPはリアノジン受容体やIP3(イノシトール三リン酸)受容体などのCa放出チャネルと会合する分子として同定されたものであり、FKBP12および12.6はこれらのチャネルの制御分子として作用する。FK506やラパマイシンが存在すると、FKBPはこれらの薬剤と複合体を形成し、Ca放出チャネルから遊離する。そして遊離したFKBPと薬剤の複合体は、T細胞の活性化に必須の分子であるカルシニューリンやT細胞の増殖を司るmTORの作用を抑制し、免疫抑制作用を発揮する。一方、心筋を含む筋細胞においては、FKBPはリアノジン受容体からの不要なCaの放出を抑制し、Caオーバーロードを防ぐ役割を果たしている。FKBPノックアウトマウスでは拡張型心筋症様の心拡大をきたし胎児期に死亡することが知られている。また、ヒトの心不全の心筋では、FKBP発現量が減少しているとともにリアノジン受容体量と比べたFKBP量の相対的な減少が認められることが知られていて、これらの異常が心不全の病態に関与している可能性が示唆されている。また心房細動や心室性不整脈などの不整脈の病態への関与も示唆されており、FKBPとCa放出チャネルとの結合を安定化させることが心不全や不整脈の治療につながる可能性が考えられている。

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