トロンボキサンA2〈thoromboxane A2;TXA2

トロンボキサンA2(TXA2)は、シクロオキシゲナーゼ代謝産物の1つで、主に血小板でアラキドン酸より産生される(図)。生理的な条件下では不安定で、半減期は30秒と短く、速やかに生理活性のない安定代謝産物であるトロンボキサンB2に変換される。その生理作用として、強力な血管凝集作用、気管支・血管平滑筋に対する収縮作用をもつ。また、同じアラキドン酸を前駆体として血管内皮細胞より産生されるプロスタグランジンI2(PGI2)はTXA2と全く相対する作用を有し、この2つの産物のバランスは生体の恒常性の維持に重要であり、バランスが崩れると種々の病態が引き起こされると考えられる。特に、虚血性心疾患、脳血管障害をはじめとする循環器疾患はその病態や成因にTXA2が関与することが示唆されている。したがって、TXA2の産生を阻害する各種の合成酵素阻害薬と受容体拮抗薬が開発され、治療薬としての臨床応用も進められている。

TXA2の生合成、代謝および薬理作用とそれらの抑制機序

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