トロンビン〈thrombin〉/トロンビン受容体〈thrombin receptor;TR〉

トロンビンは活性第Ⅱ因子(activated factorⅡ)であり、フィブリノゲナーゼ(fibrinogenase)ともいう。ビタミンKの存在下で、肝臓で生成される血液凝固因子の一種であるプロトロンビン(第Ⅱ因子)が活性第Ⅹ因子(Ⅹa)により活性化(限定分解)されて生じる、一種のセリンプロテアーゼである。フィブリノーゲンを限定分解しフィブリンに転化して凝固を生じるほか、血小板の凝集、血液凝固第Ⅶ因子、第Ⅷ因子、第Ⅴ因子、第Ⅺ因子、第ⅩⅢ因子の活性化などへの作用により凝固を促進する。また、トロンボモジュリンと結合して凝固阻止的にも作用する。それ以外に細胞表面に存在するトロンビン受容体(TR)を介して種々の細胞の活性化を引き起こす作用も明らかになった。

TRは血小板、血管内皮細胞、平滑筋細胞、白血球、神経細胞など、さまざまな細胞に存在する7回膜貫通型構造を有するG蛋白共役型受容体であり、止血血栓形成、血管壁細胞の遊走、増殖、血管拡張、神経細胞のアポトーシスなど多彩な生理活性を示す。トロンビンはTRの細胞外N末端を認識し限定分解し、新たに露出したN末端がアゴニストとして作用し細胞内にシグナルを伝達する。すなわち、TR自身がトロンビンの基質となりうる。したがって、これまで開発された抗トロンビン薬は、抗凝固、抗血小板作用の両者を有しており、出血が問題であったが、TR拮抗薬は理論上、凝固を阻害せずに血小板活性化作用を特異的に抑制することが期待され、現在、米国で第Ⅱ相臨床開発段階にある。

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