心室リモデリング〈ventricular remodeling〉

心室リモデリングとは、心臓が血行力学的負荷に対応して循環動態を一定に保つために構造と形態を変化させることであり、心筋梗塞後や慢性圧・容量負荷後などに認められる。心筋梗塞後には、梗塞部の壁運動が低下し、非梗塞部のみの壁運動では必要な心拍出量が得られなくなる。このため代償機転として、Frank-Starling機序により左室容積が増大し、この容量負荷に基づく左室壁応力(wall stress)上昇に対する代償として残存心筋の肥大が生じる。また高血圧による圧負荷が心臓に加わると、心筋は代償性に肥大し、心機能を保持しようとする。過剰な圧負荷がさらに持続すると、心筋細胞は伸展し、心室腔は拡大する(図)。このような心室リモデリングは生体の代償機転であるが、その促進は長期的にみると予後不良因子となることが、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬の長期投与効果を検討したSAVE試験(Survival And Ventricular Enlargement study、1992年発表)などの大規模試験で明らかとなっている。SAVE試験では、ACE阻害薬は心室リモデリングを抑制し、心不全の発症を予防した。心室リモデリングは組織学的には心筋細胞の肥大と間質の線維化を伴う。また心室リモデリングには、アンジオテンシンⅡやエンドセリン、カテコラミンなどの神経体液性因子が関与すると考えられている。

心筋梗塞から心不全に至る心室リモデリング

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