皮膚は外部からの物質浸入を阻止するバリア機能としての役割を担っています。皮膚に薬物を投与しても、全身的な効果は期待できないと考えられていたため、外用薬と言えば軟膏剤、パップ剤、チンキ剤、ローション剤など局所作用のものが中心でした。
1970年頃から、薬物を作用部位へ選択的に運ぶことや望ましい治療濃度にするためのドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究が盛んとなり、その研究成果の一つとして全身用経皮吸収剤が開発されました。我が国においては、1984年に硝酸イソソルビド含有の虚血性心疾患治療剤「フランドルテープ」が発売され、全身用経皮吸収剤の使用が開始されました。その後、ホルモン補充用剤、喘息治療用剤、禁煙補助用剤、癌性疼痛用剤などの異なる薬効を持つ製剤の開発や同効・類似薬が相次いで発売されています。
全身用経皮吸収剤は経口剤・注射剤に次ぐ第三の経路とも言われ、ユニークかつ有用な薬物投与方法として数々の利便性を備えています。
全身用経皮吸収剤は、経口剤・注射剤と比べた場合、以下のような特徴があります。
しかし、経皮吸収剤特有の欠点もありました。
フランドルテープは、これらの欠点に対する改善ニーズと「貼付時快適性の確保」を目標として改良・改善を重ね、現在のフランドルテープになりました。
効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等詳細は添付文書等DIをご参照ください。
フランドルテープは、胸部、上腹部又は背部に貼付することで、長時間にわたり安定した血中硝酸イソソルビド(ISDN)濃度が得られ、虚血性心疾患に対し持続的な効果が得られます。
効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等詳細は添付文書等DIをご参照ください。