Forrester(フォレスタ)分類〈Forrester's subset〉

1977年にJ. S. Forresterが考案した。Swan-Ganzカテーテルより得られたデータに基づいて分類した、ポンプ失調の重症度分類である。本来は、急性心筋梗塞に対して用いられたが、それ以外の急性心不全、あるいは慢性心不全の増悪期にも用いられる。肺うっ血の指標として平均肺動脈楔入圧18mmHg、末梢循環不全の指標として心係数2.2L/min/㎡を基準とし、4群に分類する(図)。この分類は、病態評価と治療方針決定に非常に有用である。

Forrester分類と治療方針

SubsetⅠは、肺動脈楔入圧18mmHg未満、心係数2.2L/min/㎡より大でポンプ失調を認めない。SubsetⅡは肺動脈楔入圧18mmHg以上、心係数2.2L/min/㎡より大で、左室の前負荷が増加し心拍出量を維持している状態であり、肺うっ血を伴うが末梢循環不全は伴わない。SubsetⅢは肺動脈楔入圧18mmHg未満、心係数2.2L/min/㎡以下で肺うっ血は認めないが、末梢循環不全を伴う。左室の前負荷が十分でなく、適正な補液が必要である。SubsetⅣは、肺動脈楔入圧18mmHg以上、心係数2.2L/min/㎡以下で肺うっ血と末梢循環不全がともに認められ、最も血行動態の悪化した群である。SubsetⅠ~Ⅳの死亡率はそれぞれ3%、9%、23%、51%であったとForresterは報告している。

治療法はsubsetⅠは血行動態としては問題なく、鎮痛薬または鎮静薬の投与により経過をみてよい。SubsetⅡは肺うっ血を軽減させる目的で利尿薬か血管拡張薬を投与する。利尿薬には従来よく使われているフロセミド(ラシックス®)の他にナトリウム利尿ペプチド(hANP)を使用する。SubsetⅢは、肺うっ血はないが末梢循環不全を伴い、脱水や右室梗塞の可能性が考えられる。まず輸液を行い、心係数改善が遅延するようならカテコラミンを投与する。SubsetⅣは肺うっ血と末梢循環不全を認め、利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンを併用し、強力に治療する。薬物療法で効果が得られない場合は、IABP(大動脈内バルーンパンピング)、PCPS(経皮的心肺補助装置)などの補助循環も併用する。

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