S6キナーゼ〈S6 kinase;S6K〉

増殖因子で刺激した細胞あるいはアフリカツメガエルの卵で、40SリボゾームのS6サブユニットをリン酸化するキナーゼとして命名され精製され、クローニングされてきたキナーゼである。分子量70kDaでホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3キナーゼ)の下流にあるpp70S6キナーゼと、分子量90kDaでMAPキナーゼの下流にあるS6キナーゼⅡ(RSK、pp90rsk)の2つが知られている(図)。pp70S6キナーゼにはp70とp85の2つのスプライス変異体があり、前者は細胞質に、後者は核に存在している。増殖因子受容体、G蛋白質共役受容体、IL-2受容体などを介して活性化され、40SリボゾームのS6サブユニットをリン酸化すること、転写因子CREM(cAMP responsive element modulator)をリン酸化すること、抗S6K抗体のマイクロインジェクションによりG1期からS期への移行が阻止されることなどから蛋白質合成、細胞増殖に関わっていると考えられている。

RSKおよびpp70S6キナーゼ(pp70S6K)を介したシグナル伝達経路

最近、ラパマイシンはRSKやMAPキナーゼの活性に影響を与えず、pp70S6キナーゼの活性が抑制されること、PI3キナーゼの特異的な阻害薬と考えられているウォルトマイシンによってpp70S6キナーゼの活性が抑制されることなどが明らかになり、PI3キナーゼ下流にあってRasからMAPキナーゼに至る経路とは独立した経路に存在すると考えられるようになっている。一方、RSKはMAPキナーゼの下流にあって、Ras→Raf-1→MKK→MAPキナーゼからの細胞増殖に至るシグナルを伝達するものと考えられている。

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