心拡大〈ventricular dilatation〉

心室内腔の拡大を意味する。大動脈弁閉鎖不全症や僧帽弁閉鎖不全症など容量負荷をきたす疾患や、心筋症などの疾患で認められるほか、心筋梗塞などで必要な心拍出量が得られなくなった場合に認められる。必要な心拍出量が得られなくなると、代償機転としてFrank-Starling機序により心室容積が増大する。心拡大は、左室壁応力(wall stress)の上昇とこれに伴う二次的な心筋肥大を招き、冠予備能を低下させるため、予後不良をきたす一因子とされている。心拡大の機序としては、アポトーシスによる心筋細胞の脱落、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)による細胞外基質の分解による心筋細胞のズレ(slippage)、などが考えられている。

拡大心の治療としては、前負荷および後負荷を軽減し、さらなる拡大を防止し、可能なかぎりでの心室容積の縮小を目指す。ただし、いかなる原因にしろ心拡大は心拍出量を保持させるために生じている生体の適応反応であるため、過度の心室容積縮小は低心拍出症候群を招くので注意が必要である。

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