心肥大〈ventricular(cardiac)hypertrophy〉

心肥大とは、心重量の増加を意味する。このため必ずしも壁厚の増加を伴うわけではない。心臓に何らかの負荷がかかり左室壁応力(wall stress)が上昇すると、代償機転として心肥大が生じる。圧負荷後に心筋細胞内で生じる情報伝達系については、培養心筋細胞を用いた研究により多くの知見が得られている。心筋細胞に伸展刺激を加えると、Cキナーゼが活性化され、さらにRaf-1キナーゼ、MAPキナーゼキナーゼ、MAPキナーゼと次々に活性化される。活性化されたMAPキナーゼは核内でJun蛋白をリン酸化することにより収縮蛋白遺伝子の発現が亢進し、心肥大が形成されるといわれている。しかし、心肥大はこのような直線的なカスケードのみを介して起こる単純な現象ではなく、アンジオテンシンⅡ、エンドセリン、カテコラミンなどの液性因子、TGF-β(transforming growth factor-β)やIGF-Ⅰ(insulin-like growth factor-Ⅰ)などの増殖因子、IL-6などのサイトカインも影響を与えていることが明らかとなっている。

心肥大は心不全や冠動脈疾患を招く危険因子であり、心肥大を抑制・退縮する治療は重要である。臨床において心肥大を評価する検査としては、心エコー検査が有用である。左室の壁運動異常がない場合は、Mモードにおける計測値より左室心筋重量を算出するDeverexらによる式が汎用されている。

心筋重量算出式

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