nNOS〈neuronal nitric oxide synthase、typeⅠ、脳型NO合成酵素〉

NO合成酵素(NO synthase;NOS)の3つのアイソザイムの1つ。nNOSはconstitutiveに発現しており、分子量160kDaの蛋白質で、ヒト遺伝子は染色体12q24.2上に位置する。神経系においては、NOは神経伝達物質として働いている。神経伝達物質であるグルタミン酸はサイクリックGMP(cGMP)を上昇させるが、NOはこの作用を仲介している。

nNOSは主に中枢や末梢神経系のニューロンで発現している(図)。したがって、神経系のNOは神経伝達物質としての脳の高次機能(長期抑圧や増強、記憶、学習など)や末梢での神経性調節(血管拡張、心筋の変時性、消化管の蠕動など)、またnNOSは血管、腸管、陰茎海綿体、骨格筋、心筋、膵β細胞、下垂体、腎密集斑などにも発現し、局所でのNOでの作用が考えられている。

中枢神経系でのnNOSによるNO生成系の模式図

nNOSのノックアウトマウスは神経症状は全くみられず、繁殖能も生存能も正常であった。その理由としてecNOSなど他のアイソザイムが代償している結果、神経系の異常がみられない可能性が考えられる。しかし、唯一の表現型の異常として幽門部狭窄による胃拡張がみられた。これは幽門部輪状筋のNOニューロンの欠如によるもので、ヒトでの先天性乳児幽門狭窄症といえる。したがって、nNOSは上部消化管の発生に重要な役割を果たしている。

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