NO〈nitric oxide、一酸化窒素〉

1998年度のノーベル生理学医学賞は米国のNO研究者であるFurchgott、Ignarro、Muradの3教授に授与された。Muradは冠血管拡張薬ニトログリセリンの平滑筋弛緩作用がNO-cGMP系によることを明らかにし、またFurchgottは、1980年に血管内皮細胞より内皮由来血管弛緩因子(endothelium-derived relaxing factor;EDRF)が遊出し血管平滑筋弛緩を惹起することを発見し、さらに1987年に、IgnarroやMoncadaはEDRFがNOであることも証明している。近年、EDRF/NOの産生・調節、その作用ならびに異常と病態との関連が注目されている。NOはL-アルギニン(L-Arg)を基質として、NO合成酵素(NO synthase;NOS)によって生成される。NOSにはecNOS、nNOS、iNOSの3つのアイソザイムが現在知られている。

NOの生理作用としては、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し細胞内サイクリックGMP(cGMP)を上昇させ、多様な細胞機能調節を行う(図)。血管平滑筋弛緩、心筋細胞内Ca2+レベル低下やトロポニンC不活化を介した心筋収縮抑制、血小板・白血球活性化抑制作用である。また、NOはO2・と反応すると、ペルオキシニトライト(ONOO)と呼ばれるより毒性の強いラジカル分子を形成する。マクロファージを代表とする細胞で誘導されたiNOSは過剰のNOを生成することにより、生体内に侵入した外敵を阻止するという防御機能を担っている。現在ではNOは血管トーヌスの調節物質としてのみならず、炎症、免疫、腫瘍、神経伝達などを含め、基礎、臨床を問わずおよそすべての分野でその役割が注目されるようになった。

NOの生理作用

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