冠動脈内プラーク〈intracoronary plaque〉

プラークの破裂が関与した致死的冠動脈イベントとして初めて報告されたのは、1844年にコペンハーゲンの王立劇場で突然死した有名彫刻家の解剖所見においてである。その報告より140年後の1980年代半ば以降に、Daviesらが冠動脈内プラークの破綻がきっかけとして血栓形成が起こることを報告し、急性心筋梗塞や不安定狭心症などの冠動脈疾患を引き起こす基礎病態として、プラークの破綻が重要であることが明らかとされた。破綻しやすい程度から、安定プラークと不安定プラークに分類される。不安定プラークは、線維性被膜が薄く、脂質コアが大きく、マクロファージなどの炎症細胞の浸潤が認められることを特徴としている。この不安定プラークに何らかの原因で亀裂が生じると、易血栓性の内容物が冠血流に曝され冠動脈を閉塞するような血栓形成を生じるために、急性心筋梗塞などを発症する。

プラーク形成の機序は完全に解明されてはいないが、血管内皮障害がトリガーとなると考えられている。血管内皮障害が起こると血管内皮に接着因子が発現し、血流中の単球が接着因子に捕捉され内皮に接着し、内皮下に浸潤する。また、血流中から浸潤したLDLコレステロールが内皮下で酸化され、酸化LDLとなる。内皮下に浸潤した単球がこの酸化LDLを貪食することにより泡沫化する。泡沫細胞が増大および増加することで、大きな脂質コアを形成する。最終的には血管腔と脂質コアを仕切っている線維性被膜がマクロファージから放出されるプロテアーゼにより菲薄化することで、不安定プラークが形成されると考えられている(図)。

冠動脈内プラーク

臨床症例において冠動脈内プラークを検出することは困難であったが、最近の心血管内イメージングの急速な発達により、プラークの評価ができるようになってきた。IVUS(血管内超音波法)により冠動脈内プラークの大きさを、またcoronary angioscopy(冠血管内視鏡)を用いた色調よりプラークの安定性を把握することが可能となってきている。

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