活性化第Ⅹ因子〈Factor Ⅹa〉

肝臓で合成されるビタミンK依存性の血液凝固因子の1つ。第Ⅹ因子はセリンプロテアーゼ前駆体で、活性化第Ⅸ因子・活性化第Ⅷ因子複合体(Ⅸa-Ⅷa複合体)によって活性化される経路(いわゆる内因系)と、活性化第Ⅶ因子・組織因子(tissue factor;TF)複合体(Ⅶa-TF複合体)によって活性化される経路(いわゆる外因系)がある。内因系のみを構成する因子の先天的欠損症では出血傾向は認められないため、生体内の止血反応ではもっぱら外因系が作用していると考えられている。

活性化第Ⅹ因子(第Ⅹa因子)の基本的な生化学的機能も、①ペプチド結合の加水分解、②protease-activated receptor(PAR)を活性化し、細胞内シグナル伝達を引き起こすこと、である。第Ⅹa因子は、血小板膜のリン脂質上でカルシウムを介して活性化第Ⅴ因子(第Ⅴa因子)とプロトロンビナーゼ複合体を形成し、プロトロンビンを活性化してトロンビンを生成する。また第Ⅹa因子はPAR-1あるいはPAR-2を活性化することで、凝固反応のみならず免疫、炎症、創傷治癒などにも関与することが知られている。

第Ⅹ因子が低下すると、プロトロンビン時間(prothrombin time;PT)および活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time;APTT)の両者が延長する。またトロンビンを阻害せず、第Ⅹa因子を特異的に阻害する薬剤は、効率よく凝固反応を抑える一方、出血性合併症は少ないと予想されたが、人を対象とした大規模臨床試験ではトロンビン阻害薬に比べて特段出血性合併症が少ないわけではないことが示されている。

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