房室解離〈atrioventricular(AV)dissociation〉

房室解離と順行伝導障害のない心臓で、1拍以上にわたって心房と心室が別の中枢に支配されている状態と定義される。すなわち、心房と心室が別々のリズムで収縮している状態の総称である。そのメカニズムとして、
①洞調律が遅くなり、その発生頻度が下位中枢の生理的刺激頻度よりも少なくなった場合、
②ジギタリス中毒のように、下位中枢の刺激発生能が亢進し洞調律よりも多くなった場合、
③それらが組み合わさった場合、
などが考えられる。原因としてジギタリス中毒、急性心筋炎、急性心筋梗塞などがある。予後は基礎疾患に左右され、解離そのものの臨床的意義は大きくない。重症ジギタリス中毒の警告としての価値は認められる。