Emax〈maximum elastance、収縮末(終)期最大圧容積比〉

心室の1回拍出量と収縮末期容積は直線関係にあり、Frank-Starling機序により前負荷(心室容積)の増大に伴い収縮末期圧が上昇する。したがって、心室の収縮末期容積と圧は正の相関をもち、心室の収縮末期容積-圧関係をプロットすると直線でよく近似することができる。この近似直線の傾きは収縮末期の最大エラスタンス(elastance=1/stiffness)を表しているのでEmaxと呼び、Ees(end-systolic elastance)とも表記されることがある(図)。この指標は左室駆出率などに比較して前負荷や後負荷の影響を受けにくく、臨床的には心室収縮期能を表す負荷非依存性の指標として用いられている。

Emax

虚血性心疾患などの場合で障害部位と健常部位が存在し、心室機能が不均一で収縮が一様でないとき、心室全体の収縮末期容積-圧関係の直線からの解離が大きくなるので、Emax値の後負荷などへの依存性が相対的に大きくなる。前負荷の増加とそれによる1回拍出仕事量の増加にも直線関係があり、この関係も負荷依存性のない心機能指標として提唱されている。