4-3.経皮吸収型製剤の使用のポイント(スキンケア)

1 スキンケアの目的

  • ● 皮膚のバリア機能が低下していると副作用として皮膚症状が発現しやすくなります。保湿剤をしっかり外用し、皮膚表面角質の水分量を保つことで皮膚症状の発生を抑えることができます。
  • ● スキンケアの目的を大別すると、“皮膚の生理機能(バリア機能)の促進”と“人間の基本的な欲求である「清潔」の増進”であり、スキンケアには“予防的スキンケア”と“治療的スキンケア”があります。副作用(皮膚症状)の予防としては“予防的スキンケア”が有効です。

用語解説

  • 予防的スキンケア:皮膚の健康、維持・増進を目的とした肌のケア(→2 スキンケアの方法/c)保湿参照)
  • 治療的スキンケア:既に乾燥肌やニキビなどの肌荒れが生じてしまい、これを治すことを目的とした肌のケア(→5.経皮吸収型製剤による皮膚への副作用について/3 皮膚炎の具体的対処法について参照)

2 スキンケアの方法

予防的スキンケアの目的を達成するには次の3つの方法があります。

a)皮膚の洗浄・清潔

  • 1)化学的刺激物を取り除く
    皮膚に残留している異物を除去します。石鹸等を使用して洗い流します。
  • 2)物理刺激を与えない
    日常生活において皮膚を傷つけないことは勿論ですが、洗浄時に石鹸の泡で洗うようにして、こすりすぎないようにすることで物理刺激を軽減できます。
  • 3)清潔を保つ
    洗浄に使用した石鹸成分を十分に洗い落とします。
石鹸はよく泡立てて使い、こすりすぎない
  • 4)皮膚の生理機能を保持する
    洗浄しすぎると脱脂されすぎてセラミド等の保湿成分が減少するおそれがあります。また、洗浄後の皮膚は脱脂により乾燥気味になっている場合が多く潤いを与えることが重要です(→c)保湿参照)。

b)保護

機械的刺激、化学的刺激、皮膚バリア機能障害から皮膚を保護することで皮膚症状の軽減につながります(→c)保湿参照)。

c)保湿

  • ● 気候や年齢、生活習慣や体質等、様々な要因で皮膚の水分が少なくなり、ドライスキンになると皮膚の柔軟性が失われ、角質水分量が少なくなることで皮膚角質部に隙間ができてアレルゲンや細菌等が入りやすくなります。
  • ● 皮膚への潤いを保つ(保湿)にはヘパリン類似物質含有軟膏等の保湿剤の使用が有効です。尿素含有製剤は、角質層を剥がすことで若干の刺激反応を起こす可能性があるので、掌蹠などの角質層の厚い部位には良いのですが、乾燥期や高齢者には避けた方が良いでしょう。

■ 医療用保湿外用剤の種類と特徴

薬剤カテゴリ 作用と特徴
ヘパリン類似物質含有製剤
  • ● ヘパリン類似物質はその水分保有能により高い保湿効果を発揮するほか、血行促進作用も有する
  • ● 皮膚への刺激性がなく、ベタつきも少ないが、製剤の種類によりわずかな匂いがある
尿素含有製剤
  • ● 尿素が持つ水分保有能を利用したもので、角質層を溶かすことにより角質層を柔らかくする効果もあるが、これが刺激反応を起こす場合がある
  • ● ベタつきは少ない
油脂性基剤型製剤
(ワセリンなど)
  • ● 油脂成分が皮表を覆って水分の蒸発を防ぐことで、角質層における水分の貯留を促す
  • ● 皮膚への刺激性はほとんどないが、ベタつきがある
ビタミン類含有製剤
  • ● ビタミンAによる皮膚乾燥抑制作用がある(製剤により血行促進作用のあるビタミンEを配合したものもある)
  • ● ベタつきは少ない

塩原 哲夫、大谷 道輝 監修. 臨床に役立つ経皮吸収型製剤を使いこなすためのQ&A.(アルタ出版, 東京),(2012)より改変

3 保湿剤を用いたスキンケアのポイント

入浴後はそのままぬり、入浴してないときは濡れたタオルでやさしく湿らせてからぬる。

タオルでやさしく湿らせる

貼付部位全体に保湿剤をぬる。

貼付部位全体に保湿剤をぬる

1日に2回保湿剤をぬるとより効果的。

1日2回保湿剤をぬるとより効果的

塩原 哲夫、大谷 道輝 監修. 臨床に役立つ経皮吸収型製剤を使いこなすためのQ&A.(アルタ出版, 東京),(2012)

■ 日常のスキンケアサイクル

経皮吸収型製剤の貼付部位は毎日変え、全体に保湿剤をぬる。
*保湿剤をぬった直後は剥がれやすくなるので、貼付しない。

貼付部位

「禁忌を含む使用上の注意」等につきましては、製品情報ページより添付文書等をご参照ください。

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