はじめに

はじめに

我が国における全身用経皮吸収剤の使用は、1984年硝酸イソソルビド含有の「フランドルテープ」が虚血性心疾患治療剤として発売されたことに始まります。全身用経皮吸収剤は経口剤・注射剤に次ぐ第三の経路とも言われ、認知・普及に伴いホルモン補充用剤、喘息治療用剤、癌性疼痛用剤などが発売され、近年では、高血圧治療用剤、泌尿生殖器用剤、中枢神経用剤などの異なる薬効を持つ製剤が開発・発売されています。

しかし、異なる薬効を持つ全身用経皮吸収剤が多数発売され、医療事故に係わる事例などもあり、医療現場からも「使用の安全」確保の観点から製剤を識別できる表示を求める意見が出されるようになり、今日では広く浸透しつつあります。

行政では、2001年「医療安全対策検討会議」の発足とその下部組織として、「ヒューマンエラー部会及び医薬品・医療用具等対策部会」を設置しました。2002年4月「医療安全推進総合対策~医療事故を未然に防止するために~」と題する医療安全対策会議報告書を策定し、「医療安全を確保する観点から医療従事者と医薬品企業が協力して積極的に取組む必要がある」と提言し、2012年には「医療事故に係わる調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」を設置するなど「医療の安全」を推進する仕組みづくりをしています。

医薬品の類似性に関連した事故の防止対策については、「医薬品・医療用具等対策部会」の「医薬品類似性ワーキンググループ」による検討結果を踏まえ、2004年6月薬食発第0602009号厚生労働省医薬品食品局長通知「医薬品関連医療事故防止対策の強化・徹底について」で医療事故を防止するための医薬品対策を求める通知が出されました。

そこで、「使用の安全」確保のため、(1)薬効(領域)マークを表示して心臓用貼付剤と判別できるようにする。(2)製品名を表示して貼付剤を特定できるようにする。(3)薬効(領域)マーク・製品名表示が患者さん差別にならない色にする。を検討項目として、人間工学的検討をおこないテープ印刷色を「白」と決定し、2003年8月薬効(領域)マーク・製品名表示品を発売しました。

この試みが、安全管理上有効であるかどうかを確かめるために、2004年1月から3月にかけて、医療従事者や患者さん及びその家族を対象に薬効(領域)マーク・製品名表示の評価についてアンケート調査を実施いたしました。

その結果、医療従事者から21,457枚、患者さんから1,339枚の回答をいただき貴重な評価を得る事が出来ました。その中には、3,914件もの使用上の質問、疑問、要望、ご意見などをいただきました。

それらのご意見を中心に、冊子『医療従事者のためのフランドルテープ「使用の安全」確保のQ&A集~アンケート調査結果より~』を作成いたしました。

本冊子は2005年9月に第1版が上梓され、第1版より10年の月日が経ち、今回の改訂で第6版と版を重ねることとなりました。全身用経皮吸収剤は、2005年には5領域21品目(年間約5億枚)が使用されていましたが、今日では8領域40品目が薬価収載され使用されており医療上不可欠な剤形となりました。

このような背景からも、この冊子から全身用経皮吸収剤、硝酸薬、フランドルテープについてのご理解を深めていただき、適正な患者治療にお役立ていただければ幸いです。

2005年9月(第1版)
2014年9月(第6版)
監修:山口大学大学院医学系研究科 教授
医学部附属病院 薬剤部長
古川 裕之

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